浄土宗、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派などの宗派で読まれている『阿弥陀経』は、1度は聞いたことがあるという
人も多いお経ではないでしょうか。
阿弥陀経は古来、漢訳には三訳あったといわれていますが、現存するのは二訳です。
現在、用いられているのは鳩摩羅什訳のものです。
この阿弥陀経は、『無量寿経』、『観無量寿経』とともに『浄土三部経』と呼ばれ、浄土宗や浄土真宗が最も重要視している
お経のひとつです。
お釈迦様が、舎衛城の近くにあった祇園精舎に集まった多くの人に対して、弟子の舎利弗に呼びかけるというかたちをとって、
阿弥陀仏と阿弥陀仏の住む極楽浄土について説いたお経です。
西方の十万憶という無数の仏国土(仏の住む国)を越えたところに極楽という仏国土があり、そこには阿弥陀仏という仏がいて
教えを説いています。
その極楽は、さまざまな色をした美しい鳥たちが美しい声でさえずり、いつも素敵な音楽が聞こえ、七宝でできた池には五色の
大きな蓮の花が咲き、宮殿には金銀や宝石できれいに飾られていて、悪とか苦しみが一切ない楽に満ちた世界が極楽なのです。
このような素晴らしい極楽浄土に生まれるためには、阿弥陀仏の名号を一心不乱に称えれば、命がつきる時に阿弥陀仏が迎えに
きてくれるということが説かれています。
その後に、阿弥陀経では全宇宙にいる無数の仏たちが、お釈迦様と同じように阿弥陀仏の大きな功徳をたたえているというこ
とが述べられ、最後に聴衆にむかって、これまでの言葉を信じて、阿弥陀仏の極楽浄土に生まれたいという願いを起こしなさい
と述べて説法を終えています。
阿弥陀佛の名号、すなわち『南無阿弥陀佛』ととなえれば、死後、極楽浄土に生まれ変わるという念仏信仰は、日本中に広く
浸透しています。
なぜ、これだけ多くの方の信仰を集めたのかというと、極楽浄土の素晴らしさを具体的に表現し、誰でも簡単にイメージする
ことができたからではないでしょうか。
方便とは、仏が衆生(人々)を教化(教えみちびくこと)するために用いる仮の教えとか、真実に導くための巧みな手段と
いう意味ですが、お釈迦様は様々なたとえ話を用いて教えを説きました。
この極楽浄土もそのひとつといってもいいです。
仏というのは、大乗仏教では、悟りを得た人というより、真理とか悟りそのもの、または常住不変の法それ自体を指して
います。
しかし、それでは、色も形もないので、人々には理解しにくいです。
そのため、例えば三十二相八十種好といった相貌や肉体的な特徴をあらわし、仏とはそういうい姿をしていると説いたわけ
ですが、これもまた方便です。
同様に極楽浄土は素晴らしいところだと言っても、それだけではよくわかりません。
そこで、方便を用いて具体的な姿を描き極楽浄土を説明したのです。
それによって、人々は極楽浄土をより身近に感じられることが出来るようになり、そうした素晴らしいところに生まれ変わり
たいという思いがつよくなったのでしょう。
今回は、『阿弥陀経』について、お経にどんなことが書かれているのか、そしてこの阿弥陀経が多くの方に親しまれている理由
についてお知らせしました。
もっと、お経のことを知りたいと興味を持たれた方は、本を買ってみたり、お寺へ行って、お坊さんに尋ねてみてはいかがで
しょうか。
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